蓄電池の補助金は国から出ない|2026年5月29日に終了したDR補助金と今使える代替制度
蓄電池の補助金を調べていて「国から最大60万円」という情報を見かけたものの、実際に申請できるのか判断がつかずにいないでしょうか。
結論から言うと、国の家庭用蓄電池DR補助金は2026年5月29日に予算上限に達し、公募が終了しています。SII公式サイトでも「公募の再開を行う予定はありません」と明記されており、令和8年度の新規申込はできません。
この記事では、終了した制度の仕組みと、今この瞬間に使える東京都・23区の代替制度、そして「国の補助金が使える」という古い情報のまま営業する業者への対処法を、東京・関東の施工実務からまとめます。ご自宅で使える補助金は、無料診断でも個別にお調べできます。
国の家庭用蓄電池DR補助金は2026年5月29日に予算上限で公募終了し、令和8年度の新規申込はできません。今使える主な選択肢は東京都・自治体独自の制度です。
- 国のDR補助金(最大60万円)は2026年5月29日に予算到達で終了、SII公式も再開予定なしと明言
- 本来の補助額は初期実効容量×3.45万円/kWhが基本、増額要件を満たすと+0.3万円/kWh
- 東京都の蓄電池補助金(10万円/kWh・上限120万円)は国とは別制度のため今も申請できる
- 「国の補助金が使える」というシミュレーションを提示する業者には要注意
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蓄電池の国の補助金(DR補助金)は終了した制度
まず押さえておきたいのは、この制度が現在進行形ではなく、すでに終わった制度だという事実です。終了の経緯を3つの観点から確認します。
- 2026年5月29日に予算上限で公募終了
- SII公式が再開予定なしと明言
- 後継制度は2026年8月時点で未公表
2026年5月29日に予算上限で公募終了
この制度は正式名称を「令和7年度補正 デマンドレスポンス(DR)リソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業」といい、2026年5月29日に交付申請額の合計が予算に達したため、公募が終了しました。
公募開始からわずか約2か月というスピードでの終了で、上限60万円という高額な補助金だったこともあり、申込が想定を上回るペースで殺到したとみられます。SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)の公表資料によると、交付決定件数は8,508件、交付決定額は約35.9億円に達していました。
この規模の予算がわずか2か月で消化されたことからも、家庭用蓄電池への需要の高さがうかがえます。
SII公式が再開予定なしと明言
SII公式サイトでは、「公募の再開を行う予定はありません」と明確に案内されています。
これは「予算切れで一時停止しているだけで、追加予算がつけば再開するかもしれない」という期待を持たれがちな制度終了とは異なり、令和7年度補正予算の枠組み自体が使い切られたことを意味します。
次に同種の制度が始まるとしても、それは新しい年度の新しい予算措置としてゼロから設計されるものになります。この違いを理解しておくことは、「そのうち再開するはず」という誤った期待を持たないためにも重要です。制度が終了した後も、同じ名称の別制度が始まると誤解して問い合わせる例が後を絶ちません。
後継制度は2026年8月時点で未公表
令和9年度の概算要求は例年8月末から9月上旬にかけて公表される見込みですが、2026年8月時点では、同種の家庭用蓄電池補助金が令和9年度に設けられるかどうかは未公表です。
「次の制度がいつ始まるか」を前提にした導入計画は立てにくい状況にあるため、今使える制度で判断することをおすすめします。国の制度に頼らず、都道府県・区市町村の制度を軸に実質負担額を計算しておけば、仮に後継制度が始まった際にはそのぶん負担が下がる上振れとして受け止められます。
予算措置の性質上、家庭用蓄電池が再び対象になるかどうかも現時点では確約できません。
DR補助金の本来の補助額計算式
終了した制度ではありますが、制度の仕組みを理解しておくことは、将来同種の制度が始まった際の判断材料になります。ここでは本来の補助額計算式を確認します。
基本額は初期実効容量×3.45万円/kWh
補助額の基本計算式は「初期実効容量×3.45万円/kWh」で、上限は60万円/台でした。
ここでいう初期実効容量とは、カタログに記載される定格容量そのものではなく、実際に使用可能な容量を指す点に注意が必要です。
目標価格として11.9万円/kWh以下という交付条件も設けられており、これを超える価格設定の機種は補助対象外とされていました。この目標価格の考え方は、今後同種の制度で導入コストの目安を判断する際にも参考になります。国が導入コストの上限を示すことで、業者側の価格競争を促す狙いもあったとみられます。
増額要件を満たすと0.3万円/kWh上乗せされる
レジリエンス機能などの評価基準を満たす機種は、基本額に0.3万円/kWhが上乗せされる増額要件が設けられていました。
すべての機種が増額対象になるわけではなく、メーカーによっては増額要件を満たさない製品もありました。たとえばカナディアンソーラーのEP CUBEは増額なしの機種として扱われていた実例があり、同じ容量でもメーカー・機種によって最終的な補助額が変わる設計になっていました。
この増額要件は、単に高性能であれば適用されるものではなく、レジリエンス機能など制度が定めた具体的な評価基準を満たす必要がありました。見積もりの際は、提示された補助額が増額込みか基本額のみかを必ず確認する必要があった制度です。
実例|10.9kWhなら基本額37.6万円+増額3.3万円
10.9kWhの蓄電池を導入した場合、基本額は10.9×3.45万円=約37.6万円、増額要件を満たせばこれに10.9×0.3万円=約3.3万円が加わり、合計約40.9万円という試算になります。
この計算式と実例は、今後同種の制度が設計される際の参考値として押さえておく価値があります。容量が大きくなるほど基本額・増額分ともに比例して増える設計だったため、大容量の機種ほど恩恵が大きい制度だったといえます。
上限60万円に達するには、17.4kWh程度の大容量が必要だった計算になります。実際にはこの容量帯の家庭用蓄電池は少なく、多くのケースで上限に届く前に容量が確定していました。
DR補助金はアグリ型と小売型に分かれていた
DR補助金という名前が示すとおり、この制度には単に蓄電池を設置するだけでなく、電力の需給調整(デマンドレスポンス)に協力するという条件が付いていました。
アグリ型|複数の蓄電池をまとめて制御する仕組み
アグリゲーターと呼ばれる事業者が、複数の家庭の蓄電池をまとめて遠隔制御し、電力需給がひっ迫した際に放電を指示する仕組みです。
参加する家庭は、電力会社やアグリゲーターからの指示に応じて充放電のタイミングをある程度制御されることになります。
契約内容によっては、DR発動時に電気代の割引や報酬が得られる一方、蓄電池を自分の好きなタイミングだけで使えるわけではないという制約も伴いました。
停電時の備えとして自由に使いたいと考えている家庭にとっては、この制約の内容を契約前に確認しておく価値がありました。制御の頻度や範囲は事業者によって異なるため、契約書の記載内容を細部まで確認することが重要でした。
小売型|電力小売事業者との契約が条件になる仕組み
小売型は、特定の電力小売事業者との契約が交付条件になっており、契約先を変更しにくくなるという制約がありました。
アグリ型・小売型のいずれも、単に蓄電池を購入して設置するだけの補助金ではなく、その後の運用にも一定の制約が伴う制度設計だった点は、今後同種の制度を検討する際にも参考になります。
どちらの型を選ぶかによって、日々の使い勝手や契約先の自由度が変わるため、制度が復活した際は型の違いを最初に確認することをおすすめします。既存の電力契約を変えたくない家庭にとっては、アグリ型のほうが制約が少ない選択肢になる傾向がありました。
蓄電池の国の補助金がなくても東京都は独立した制度として継続中
国のDR補助金が終了したからといって、蓄電池の補助金がすべてなくなったわけではありません。東京都の制度は国とは完全に別の予算・制度として運用されています。
東京都は10万円/kWh・上限120万円
東京都の家庭における蓄電池導入促進事業は、蓄電容量に応じて10万円/kWhを助成し、上限は120万円/戸です(DR実証不参加時)。
国のDR補助金の上限60万円と比べても、東京都単独の制度のほうが上限額は大きくなっています。都道府県が独自予算で運用する制度であるため、国の制度の存廃に左右されずに継続できているという構造上の強みがあります。
この安定性は、導入計画を立てるうえで大きな安心材料になります。実際に国のDR補助金が終了した後も、東京都の制度は変わらず運用が続いています。単価・上限額とも令和7年度から令和8年度にかけて見直しが行われており、今後も年度ごとの改定に注意が必要です。
DR実証に参加すると上限120万円の制限が外れる
東京都にも独自のDR実証への参加という選択肢があり、参加する場合は蓄電容量×10万円に加えてDR実証参加10万円、エネルギーマネジメント機器の設置台数×5万円が加算され、上限120万円の制限そのものが外れます。
これは終了した国のDR補助金とは別の、東京都独自のDR実証制度です。名称が似ているため混同しやすい点に注意してください。国のDR補助金がデマンドレスポンス参加を交付条件そのものにしていたのに対し、東京都のDR実証は参加すれば増額されるという任意のオプションである点も異なります。
容量の大きい蓄電池を検討している場合は、DR実証への参加可否を業者に確認する価値があります。
令和8年10月1日以降はSII登録機器のみが対象になる
東京都は令和8年10月1日以降に事前申込をする場合、SIIが令和8年度の登録済製品一覧に登録した機器のみを助成対象とします(令和8年4月1日〜6月30日に契約締結または契約・工事完了された事業を除く)。
導入予定の機種が対象一覧に載っているか、見積もりの段階で確認しておくと安心です。この登録要件は国のDR補助金とは別の基準ですが、SII登録という共通の仕組みを使っている点で関連があります。
同じSII登録製品一覧を東京都と区の両方の申請で使い回せるため、一度確認しておけば両方の手続きで役立ちます。10月1日をまたいで契約や工事を進める場合は、経過措置の対象になるかどうかも確認しておくと安心です。
蓄電池の補助金は東京23区でさらに上乗せできる
東京都の制度に加えて、お住まいの区市町村が独自の上乗せ制度を持っている場合、実質負担額はさらに下がります。
| 区 | 蓄電池の上乗せ額 | 特記事項【2026年8月時点】 |
|---|---|---|
| 中野区 | 定額10万円 | 太陽光との接続が必須。前期予算は8/12時点で約79.7%消化 |
| 品川区 | 3万円/kWh・上限30万円 | 区民向け枠は8/20時点で予定件数超過・受付停止中 |
| 葛飾区 | 対象経費の1/4・上限20万円 | 太陽光併設加算5万円あり |
区ごとに上乗せ額と受付状況が大きく異なる
上の表からも分かるとおり、同じ東京都内でも区によって上乗せ額の設計思想が異なります。定額制の区もあれば、容量に応じた従量制の区もあります。
定額制の区は容量が小さい家庭ほど恩恵が大きく、従量制の区は大容量を導入する家庭ほど恩恵が大きいという傾向の違いがあります。導入予定の容量とお住まいの区の制度設計を照らし合わせて確認することをおすすめします。
太陽光との接続を条件にする区もあるため、蓄電池単独での導入を考えている場合は特に注意が必要です。上乗せ制度の有無自体を知らないまま契約してしまい、後から気づいて悔しい思いをするケースも見られます。
受付終了・停止中の区も存在する
品川区のように2026年8月時点ですでに受付を停止している区もあるため、お住まいの区の最新の受付状況を必ず確認してください。
受付停止中でも東京都の制度は別枠のため、引き続き申請できます。予算に残額が生じれば区の受付が再開される可能性もあるため、停止中だからといって完全に諦める必要はありません。
受付再開の情報は各区の公式サイトや区報で告知されます。定期的に区の公式サイトを確認しておくと、再開のタイミングを逃しにくくなります。区によっては前期・後期のように受付期間が複数回設けられている場合もあります。
蓄電池の国の補助金の代わりに今使える代替制度
国のDR補助金という枠組みでは使えなくなりましたが、別の国の制度で蓄電池が対象に含まれるケースもあります。
ZEH+改修は二次公募が受付中
ZEH+改修(既存住宅の省エネルギー化を支援する制度)は、一次公募が終了した後、二次公募が開始されています。
この制度は新築・改修いずれも太陽光・蓄電池を含むエネルギー設備一式が対象になり得る枠組みで、DR補助金とは別の予算で運用されています。
募集期間や要件は年度・時期によって変動するため、検討する場合は最新の公募要領を確認してください。国土交通省・経済産業省・環境省が連携して実施する制度のため、窓口が複数にまたがる点も特徴です。申請の窓口が分かりにくいと感じたら、まず施工予定の業者に確認するとスムーズです。
みらいエコ住宅2026は新築向けの制度
みらいエコ住宅2026(GX志向型住宅支援事業)は、新築住宅を主な対象とした制度で、既存住宅への後付け蓄電池には使えないことが一般的です。
新築で太陽光・蓄電池を検討している場合は選択肢に入りますが、既存住宅のリフォームとして蓄電池を導入する場合は対象外になる可能性が高い点に注意してください。
新築住宅の省エネ性能を高める目的の制度であるため、既存住宅の設備更新とは制度の趣旨そのものが異なります。既存住宅にお住まいの場合は、この制度ではなく都道府県・区市町村の制度を検討することになります。制度選びで迷ったら、新築か既存住宅かという条件だけでも大まかな方向性を絞り込めます。
都道府県・区市町村の制度が実質的な主力になる
国の家庭用蓄電池向け制度の選択肢が狭まった今、実質的に使いやすい主力の制度は、東京都をはじめとする都道府県・区市町村の制度です。
お住まいの自治体に個別の制度があるか、まず確認することをおすすめします。制度は毎年度見直されるため、前年度の情報のまま判断しないよう、必ずその年度の最新の交付要綱を確認してください。
予算の消化状況によっては、年度途中でも受付が早期終了することがあります。動き出すタイミングが早いほど、選択肢が多く残っている状態で判断できます。国の制度が終了した今だからこそ、都道府県・区市町村の制度の情報収集が導入計画の出発点になります。
蓄電池の国の補助金を語る営業に注意する
制度が終了したにもかかわらず、古い情報のまま営業を続ける業者が実在します。注意すべき3つのパターンを確認します。
- 終了した制度を前提にした見積もりを提示する業者
- 制度名を答えられない業者
- 契約を急がせて確認の時間を与えない業者
終了した制度を前提にした見積もりを提示する業者
「国の補助金と合わせれば実質○○万円」というシミュレーションを提示された場合、その数字は現時点では成立しません。
2026年5月に終了した制度を前提にした古いシミュレーションを、そのまま使い回している業者が実在します。
提示された見積もりの補助金内訳に「国の補助金」「DR補助金」といった項目が含まれている場合は、その制度が現時点で申請可能かどうかを必ず確認してください。
悪意がなくとも、業者側の情報更新が追いついていないだけというケースもあるため、指摘すればすぐに訂正してもらえることも多いです。指摘しても訂正されない場合は、他の業者との比較を検討する材料になります。
制度名を答えられない業者
「国の補助金」とだけ説明し、正式な制度名や交付要綱を示せない業者は、最新の制度動向を把握していない可能性が高いといえます。
正式名称や交付要綱のURLを尋ねても曖昧な回答しか返ってこない場合は、他の業者にも見積もりを依頼し、比較検討することをおすすめします。
制度名を正確に説明できる業者ほど、日頃から補助金の情報を追っている可能性が高いといえます。逆に、正式名称を知らずに「国から補助が出ます」とだけ案内する業者には注意してください。制度名だけでなく、対象条件や受付期間まで具体的に説明できるかどうかも、業者の情報量を測る目安になります。
契約を急がせて確認の時間を与えない業者
「今日契約しないと補助金に間に合わない」といった形で契約を急がせる業者には注意が必要です。特に「今契約すれば国の補助金にも間に合う」という説明は、制度そのものが終了している以上、成立しない説明です。
制度の受付期間や予算状況は各制度の公式サイトで確認できる公開情報です。正確な状況は申込前に自分で確認できるため、契約を急がされていると感じた時点で、一度持ち帰って比較検討することをおすすめします。
他社の提案内容を確認したいだけの相談も可能であり、比較検討自体を嫌がる業者には注意が必要です。契約を急ぐ理由が明確に説明できない場合は、いったん距離を置いて冷静に判断する時間を確保してください。
蓄電池の国の補助金に関するよくある質問
令和7年度補正の家庭用蓄電システムDR補助金は2026年5月29日に予算上限で終了し、SII公式も再開の予定はないと案内しています。同種の新規制度が令和9年度に始まるかは2026年8月時点で未公表です。
あります。東京都をはじめとする都道府県や区市町村が独自の補助金制度を運用しており、国の制度とは別枠で申請できます。東京都は蓄電容量に応じて上限120万円まで助成します。
制度が稼働していた間は、国と都道府県の補助金を併用できる設計が一般的でした。現在は国のDR補助金自体が終了しているため、東京都の制度単独での申請になります。
2026年8月時点では未公表です。令和9年度の概算要求が例年8月末から9月上旬に公表されるため、その時期に新しい情報が出る可能性があります。最新情報はSII公式サイトで確認してください。
まとめ:蓄電池の国の補助金はなくても都道府県は使える
国の家庭用蓄電池DR補助金は2026年5月29日に予算上限で終了し、令和8年度の新規申込はできません。「国の補助金」を前提にしたシミュレーションを見かけたら、その情報が最新かどうかをまず疑ってください。
一方で、東京都をはじめとする都道府県・区市町村の制度は国とは別枠で今も使えます。東京都だけでも上限120万円、区の上乗せを含めればさらに実質負担を下げられる可能性があります。制度は年度ごとに変わるため、申請前に必ず最新の受付状況を確認してください。
ネクスト電気では、国の制度終了後も使える最新の補助金を踏まえた無料診断を行っています。ご相談・診断・出張はすべて無料で、契約の義務はありません。診断の結果、導入をおすすめしない場合もあります。まずは今使える制度の確認だけでもお気軽にご相談ください。
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